戦後20年。今から40年前、日本が先進国を追いかけ仲間入りを果たそうとしていた高度経済成長の時代。鉄鋼業は「鉄は国家なり」と、言われるほどの機関産業であった。日本進出を目論む海外巨大バンクに対抗するために、時の大蔵省は当時12個あった銀行を合併させ、その大型化をはかる構想を打ち出していた。現在の3大メガバンク体制に至る金融再編の始まりである。そしてこれは、世界に誇る鉄を作ることに命を懸けた息子と、金融再編の荒波の中で生き残りをかけた父。その父と子の取り巻く珍俵一族の愛と、憎しみと、悲しみに満ちた壮絶なる物語である・・・そしていよいよ物語が始まり、新年の挨拶で家族みんながテーブルの席に着くのであるが、執事の高須 悪子が妻のやえこを差し置いて晩餐の席で妻の椅子に座るのです。そう！この珍俵家では暗黙の了解で、晩餐の席に妻の座に座ったものが父、珍俵小介と一夜を共にするのでした。

※当作品の出演者は全て18歳以上です。